まったくうんざりするような雨だ。バケツをひっくり返したような猛烈な雨が、もう1時間近く降り続いて、少しも弱まる気配がない。南の島のスコールにしてはずいぶん長いような気がする。彩夏は外を見ながら小さくため息をつき、シアリス 通販薄くなったフローズン・マルガリータをまたひとくち飲んだ。

 滞在中のホテルからわずか徒歩5分の距離だが、傘がないのでホテルに着く頃には全身ずぶ濡れだろう。部屋に戻るだけなのでそれでもいいのだが、特に急いで帰る必要もないし、もう少しひとりでいたかった。

 広めの店内は半分以上席が埋まっていたが白人の客がほとんどで、みなこの突然の大雨のために足止めを食っている。すっかり長居を決めこんで、他のグループの客とおしゃべりしたり、奥のビリヤードに興じたりしていた。 「よく降るなあ。そろそろ止んでもいい頃なんだけど……」

 ふいに日本語で話しかけられたので、驚いて声の方を振り返った。ずっと雨を気にして通りの方向ばかり目をやっていたが、男はいつの間にかすぐ隣の席に座っていた。 「驚かしちゃったかな、失礼。僕はずっとカウンターの方にいたから」

 麻のシャツに半ズボン姿の彼は、媚薬最強よく日焼けした小麦色の肌に白い歯が映えた。 「……ほんとに、よく降りますね。そちらもRホテルにお泊まりですか?」 「そうですよ。この店はあのホテルの客でもっているようなものだ。ホテルでばかり飲み食いしているとけっこう高いし、第一飽きるからね」 「ですよね。実はそのことで夫とちょっとした口論になって、私、ひとりでここに来たんです」

 彩夏はナンパされることを懸念して、早めに夫という言葉を使った。もっとも彼の雰囲気や口調からして、そんな心配は余計な気がした。 「Rホテルのレストランはどこも値段の割にそんなに美味くないでしょ。あ、巨人倍増インド料理の店だけはけっこういけますよ」 「あら、そうなんですか。入ったことない……ていうかまだ来て2日目ですけど」 「僕はもう1週間近くになるけど、そろそろ飽きてますよ」

 彼は妻が休暇の予定をたててこの島に決めたのだと言った。さまざまなアクティビティやマッサージなど積極的に行動している妻とちがって、彼は休むことが目的で来たのだが、早くも退屈しているのだと話した。 「私と同じです。うちも夫の方がアクティブで、せっせとダイビングに行ってます。それで疲れたからって、夕飯はホテルですませたいって言うもので。さっそくケンカ」 「うちのはスパの予約があるからって、ここで食事した後さっさとホテルに戻ったんですよ。僕もいっしょに戻っていれば雨に降られなかった」 「ほんとですね」 「でもこうしてあなたと話せたから……」 「時間つぶしになりました?あ、少し小降りになってきましたよ、雨」 「もう一杯だけ付き合いませんか?」


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Last-modified: 2016-07-02 (土) 15:37:52 (503d)